Notion のカスタムエージェントは実際いくらかかるか:クレジット、上限、1か月の試算
Notion のカスタムエージェントは月1,000クレジットあたり10ドルで動きます。8人チームの1か月を試算し、請求額がどこから生まれるかを示します。
目次
Notion のカスタムエージェント(Custom Agents)は Business または Enterprise プランが必要で、クレジットで動きます。2026年10月時点で、これらのプランのメンバーには毎月500の Select クレジットが付与され、カスタムエージェントはまず所有者の Select クレジットを消費します。その後は Notion クレジットが必要で、月額なら1,000クレジットあたり10ドル(年額購入なら1,000あたり13ドル)です。両方を使い切るとエージェントは停止します。
つまり実際の料金は、席の料金に加えて、エージェントの実行回数、タスクの難しさ、使うモデルで決まる従量部分です。以下では10月の変更後のクレジットの仕組み、小さなチームの1か月の試算、エージェントを有効にする前に決めておくべきことを説明します。
2026年10月時点の Notion クレジットの仕組み
Notion はこの秋に AI クレジットを作り直しました。ヘルプセンターによると、新しい Business・Enterprise ワークスペースは2026年10月19日に新方式へ移行し、既存のワークスペースは2026年11月2日に移行します。クレジットは現在3種類です。
| クレジットの種類 | 付与元 | 支払い対象 | 付与量 |
|---|---|---|---|
| Standard | Business・Enterprise の各席 | Notion がモデルを選ぶ作業(Auto):Notion Agent とのチャット、文章作成、AI ブロックなど | メンバーごとに月1,500 |
| Select | Business・Enterprise の各席 | 自分でモデルを選ぶ作業と、自分で設定したカスタムエージェント | メンバーごとに月500 |
| Notion クレジット | 管理者がワークスペース用に購入 | Standard・Select を超えた利用、高消費モデル、ワークスペース予算のエージェント、API や接続アプリ経由のエージェント実行 | なし。月額1,000あたり10ドル、年額1,000あたり13ドル |
表から受ける印象以上に重要なルールがいくつかあります。
- Standard と Select は個人単位です。 プールすることも、他のメンバーへ移すことも、種類間で交換することもできません。毎月リセットされ、繰り越しはありません。
- 共有エージェントは所有者のクレジットを使います。 チーム全員が使う振り分けエージェントを作ると、既定ではすべての実行があなたの500 Select クレジットから引かれます。管理者はワークスペース予算に切り替えられます。
- お金が尽きるとエージェントは止まります。 所有者の Select クレジットがなくなり、Notion クレジットもなければ、リセットか管理者の追加まで停止します。管理者には利用率80%と100%で通知が届きます。
- 2026年11月2日より前に作成したエージェントは、引き続きワークスペース共有のクレジットを使います。古い設定は新しい設定と挙動が異なります。
- ダウングレードするとエージェントはオフになります。 Free や Plus では既存のカスタムエージェントが無効化されます(削除はされません)。
Notion の料金ページはこれを「無料で試せて、その後は月1,000 Notion クレジットあたり10ドル」とまとめており、Business はメンバーあたり月20ドル、年払いで最大20%割引と表示しています。
エージェント1回の実行でクレジットはいくつ使うか
実行1回あたりの価格は公開されていません。コストはタスクとその文脈で変わるためです。ただしタスク別の目安は公開されており、モデル間の差がこの記事でいちばん重要な数字です。
| タスクの規模 | Notion が挙げる例 | Auto でのクレジット | 最上位モデル(Opus 5.5)でのクレジット |
|---|---|---|---|
| 簡単 | メールの推敲、メッセージの翻訳 | 約5 | 約50 |
| 中程度 | 業務レポートの作成、サポート依頼の振り分け | 約10 | 約85 |
| 複雑 | 応募者の管理、CRM のフォローアップ管理 | 約25 | 約150 |
同じ作業でもモデル次第で6〜10倍のコストになります。Notion は、Auto なら最上位モデルを選ぶ場合よりクレジットが最大10倍長持ちするとしています。エージェントを作るなら、モデル設定は品質だけでなく予算の判断です。
8人チームの1か月を試算する
私たちと同じ規模のチームで1か月を試算しました。Notion Business に8人、カスタムエージェント3つ、営業日22日です。数値は Notion 自身のタスク別目安を使っています。実際の利用量は異なりますが、まさにそこが要点です。
| エージェント | 役割 | 月間実行回数 | 規模 | Auto でのクレジット | 最上位モデルでのクレジット |
|---|---|---|---|---|---|
| 依頼の振り分け | 届いた依頼を分類・ラベル付け、1日30件 | 660 | 中程度 | 6,600 | 56,100 |
| 営業フォローアップ | CRM の行を更新しフォローを下書き、1日10件 | 220 | 複雑 | 5,500 | 33,000 |
| 金曜レポート | 週次の状況報告を作成 | 4 | 複雑 | 100 | 600 |
| 合計 | 884 | 12,200 | 89,700 |
請求額は次のとおりです。
- 席の料金。 8人 × Notion 表示の20ドルで月160ドル。
- 付与クレジット。 1人が3つすべてを所有していれば、使えるのはその人の500 Select クレジットだけです。3人が1つずつ所有していれば1,500です。他のメンバーのクレジットはエージェントに回せません。
- 残りは Notion クレジット。 Auto なら約11,100〜11,700クレジットが不足し、1,000あたり10ドルで月約111〜117ドル。最上位モデルなら約88,200〜89,200クレジットで、月約882〜892ドル。
- 合計。 同じ8人で月約270ドルから1,050ドル。差はほぼモデル設定と実行回数で決まります。
ポイントは2つです。AI の費用は席の費用より小さいこともあれば数倍になることもあり、人数ではなく作業量に連動します。また月額の Notion クレジットは繰り越されないため、最も忙しい月に合わせて買うか、月末にエージェントが止まることを受け入れるかのどちらかです。
カスタムエージェントの請求が気づかないうちに膨らむ場所
自社のワークスペースでエージェントを動かしてきた経験から、請求額を動かすパターンは次のとおりです。
- トリガーが多すぎる。 データベースに行が増えるたびに動くエージェントは、処理不要の行にも反応します。エージェントの中ではなく前段で絞り込みましょう。
- 長い文脈。 長く複雑なスレッドでは同じタスクでもクレジットが増えると Notion は説明しています。データベース全体を読むエージェントは、1ページを読むエージェントより高くつきます。
- 人気の共有エージェント。 共有エージェントは所有者のクレジットを使うため、いちばん役に立つエージェントを作った人が真っ先に枯渇します。
- 外部からの呼び出し。 API や接続アプリ経由でエージェントを実行すると、付与された Select ではなく Notion クレジットを使います。
- 会議メモ。 2026年12月1日から AI Meeting Notes が Standard クレジットを消費します。Notion の目安では1時間の会議で約10です。Select には影響しませんが、もう1つのメーターとして見ておく必要があります。
Notion エージェントのコストを予測可能に保つ方法
- 各エージェントの役割とトリガーを書き出す。 作る前に、週あたりの想定実行回数も決めます。
- モデルは Auto のままにする。 タスクが失敗する場合だけ変え、実例10件で確かめます。
- エージェントごとに支出上限を設定する。 所有者は各エージェントに上限を設定でき、1つのエージェントがクレジットを使い切るのを防げます。
- チーム全体のエージェントはワークスペース予算で賄う。 1人の Select クレジットに頼らないようにします。
- 最初の1か月は Settings → Notion AI → Usage を毎週確認する。 見積もりと比べます。
- ゼロになったときの扱いを決める。 停止が実務を止めるなら余裕分を買い、そうでなければ止まるに任せます。
もう1つの選択肢:定額プランに含まれるエージェント
従量課金のエージェントが間違いというわけではありません。柔軟で、Notion の中で小さな自動化をたくさん動かすチームには最適かもしれません。ただ、毎月の請求額を予測しやすくしたいなら、エージェントがプランに含まれるツールと比べる価値があります。
私たちが開発し、自社の運営にも使っている Atrix AI はその1つです。Builder は5席で月39ドル、エージェント実行100回。Studio は15席で月149ドル、500回。年払いは20%引きです。エージェントとのチャットは実行回数を消費せず、何も生成せずに失敗した実行は戻され、実行回数は毎月1日にリセットされます。AI エージェントはプロジェクトの仕事を担います。Develop 実行はブリーフを要件、アーキテクチャ、計画済みの issue に変え、Market 実行は市場投入計画を作ります。
制限もはっきり書いておきます。
- Notion のカスタムエージェントのような、トリガーで常時動くエージェントを自由に作る汎用ツールではありません。決まった仕事を実行します。
- 追加購入パックはありません。その月の実行回数を使い切ったら、リセットを待つか上位プランに移ります。
- 無料プランはありません。7日間のトライアルにはカードが必要です。
- Notion のテンプレートと連携のエコシステムのほうがはるかに大きく、Atrix のページ取り込みは Markdown、Word、Excel のみです。
その範囲外の作業には、多くのチームが Atrix の MCP サーバー経由で Claude や ChatGPT を接続し、スコープで権限を絞って使っています。その AI 呼び出しは Atrix ではなく、AI クライアント側のサブスクリプションで課金されます。ドキュメント、データベース、料金の詳しい比較は Notion との比較をご覧ください。
よくある質問
Notion のカスタムエージェントの料金はいくらですか?
2026年10月時点で、カスタムエージェントには Notion Business(料金ページではメンバーあたり月20ドル)または Enterprise が必要です。各メンバーに毎月500の Select クレジットが付与され、自分のエージェントがまずそれを使います。それを超えると Notion クレジットが月額1,000あたり10ドル、年額購入なら1,000あたり13ドルです。
Notion のクレジットがなくなるとどうなりますか?
エージェントは停止します。所有者の Select クレジットが請求サイクルの開始時にリセットされるか、管理者が Notion クレジットを追加するかワークスペース予算を割り当てると再開します。管理者には利用率80%と100%で通知が届きます。
Notion Plus でカスタムエージェントは使えますか?
使えません。Notion クレジットは Business と Enterprise でのみ利用できます。Free や Plus にダウングレードすると、既存のカスタムエージェントは無効化されますが削除はされません。
使わなかった Notion クレジットは繰り越せますか?
できません。Standard と Select は毎月リセットされます。月額の Notion クレジットは毎月リセットされ、年額のクレジットは更新時に失効します。いずれも繰り越しはありません。
Notion エージェントの1回の実行で何クレジット使いますか?
Notion の目安では、Auto で簡単・中程度・複雑なタスクがそれぞれ約5・10・25、Opus 5.5 では約50・85・150です。実際の消費はタスクとエージェントが読む文脈の量で変わります。
小さなチームで AI エージェントをもっと安く使う方法はありますか?
量によります。軽いエージェントがいくつかなら、付与される Select クレジットで足りるかもしれません。毎日大量に使うなら、Atrix のように実行回数込みのプランと比べ、料金ページと想定量を照らし合わせてください。
次のステップ
両者を比べているなら、まず Notion との比較を読み、続けて席単位の料金と AI エージェントの関係をご覧ください。
出典
2026年10月27日に Notion 自身のページで確認:料金、Notion クレジットとは、カスタムエージェントの AI クレジット、AI クレジットの管理、Notion クレジットの購入。