プロダクト開発

Basecamp が AI エージェントと接続可能に。小さなチームにとって何が変わるか

Basecamp は全プランでホスト型 MCP サーバー経由で Claude、ChatGPT、Cursor、Grok と接続できるようになりました。できること、できないこと、他との比較。

執筆 Atrix チーム公開日 11分で読めます
目次
  1. Basecamp が実際に公開したもの
  2. アシスタントが Basecamp でできること
  3. どこまで制御できるか:読み取り専用かフルアクセスか
  4. Basecamp のコネクタを他と比べる
  5. コネクタそのものよりスコープ付きの書き込みが大事な理由
  6. スコープ付き書き込みの参考例としての Atrix
  7. どのプロジェクト管理ツールでもエージェント接続前に確認すること
  8. よくある質問
  9. 次のステップ
  10. 出典

Basecamp は無料プランを含むすべてのプランで AI エージェントを接続できるようになりました。2026年10月時点の料金ページには、MCP に完全対応した ChatGPT と Claude の公式コネクタ、さらにコーディングエージェント向けのコマンドラインツールとエージェントスキルが載っています。mcp.basecamp.com にあるホスト型 MCP サーバー1つで、アシスタントがプロジェクト、To-do、カード、ドキュメント、チャットを読み書きでき、読み取り専用かフルアクセスかを選べます。

長年シンプルさを説いてきたツールとしては目立つ一手です。そしてカテゴリ全体の行き先を示しています。MCP コネクタはもはやプロジェクト管理ツールの差別化要因ではなく、最低条件です。問うべきは「つながるか」ではなく「つないだあとにどこまで制御できるか」です。

Basecamp が実際に公開したもの

2026年10月に basecamp.com に掲載されているのは次の3つです。

  1. ホスト型 MCP サーバー(https://mcp.basecamp.com/mcp)。Claude にはカスタムコネクタとして追加し、ChatGPT ではプラグインディレクトリからインストールします(Basecamp によれば Codex でも動作)。Cursor、Grok、VS Code、Claude Code にも追加でき、任意の MCP クライアントからこのアドレスを指定できます。
  2. コマンドラインインターフェースとエージェントスキル。Claude Code、Codex、OpenCode、Cursor など、シェルコマンドを実行するコーディングエージェント向けです。
  3. SDK と API。Go、Ruby、TypeScript、Swift、Kotlin の公式クライアントがあります。

Basecamp によると、コネクタはどのプランでも追加料金なしです。ただし AI アシスタント側でコネクタを追加するのに有料プランが必要な場合があります。また Basecamp の内容で AI モデルを学習させることはないとしています。

アシスタントが Basecamp でできること

Basecamp のページによれば、自分でできることはほぼすべてです。対象は次のとおりです。

  • プロジェクト:検索、作成、整理、参加者の確認。
  • To-do:追加、割り当て、期限設定、完了チェック。
  • Message Board:スレッドを読む、更新を投稿する、返信する。
  • Card Table:カードの追加、列間の移動、ステップの管理。
  • カレンダー、ドキュメントとファイル、Campfire チャットと Ping、自動チェックイン。
  • 検索とレポート(期限切れの一覧など)。

Basecamp が挙げる例は実務的です。自分の期限切れタスクは何か、会議メモを To-do にして割り当てる、レビューに2週間以上留まっているカードを進行中に戻す、マーケティング掲示板向けに金曜の報告を下書きする、といったものです。

どこまで制御できるか:読み取り専用かフルアクセスか

接続を承認するときに読み取り専用かフルアクセスを選びます。読み取り専用は閲覧のみで、何も変更できません。アシスタントはあなたとして動くので、あなたが見られるプロジェクトしか見えません。複数の Basecamp アカウントに属している場合は、接続ごとに1つを選びます。いつでも切断でき、アシスタントが行った操作は Basecamp のアクティビティ履歴に残ります。

製品に合った、分かりやすく妥当な設計です。ただし、私たちが読んだページの範囲では次のものはありません。

  • より細かい権限。 To-do は許可してメッセージは不可、カードは許可してドキュメントは不可、といった設定はできません。すべて読み取りか、すべて読み書きかです。
  • 別のアイデンティティ。 アシスタントはあなたとして動きます。その操作がアシスタントによるものと表示されるかどうかはページに書かれていません。
  • エージェントの通信に対する公開されたレート制限や、通常のアクティビティとは別の呼び出し単位の監査ログ。

自分たちのツールを信頼している5人のチームなら、2段階で十分かもしれません。しかし、エージェントが顧客に見える掲示板に投稿しうるチームにとって、「読める」と「自分ができることは何でもできる」の差は大きいものです。

Basecamp のコネクタを他と比べる

いくつかのプロジェクト管理ツールのホスト型 MCP サーバーが、2026年10月時点で自社ページに記載している制御は次のとおりです。

ツールMCP が使えるプランサインインアクセスレベル備考
Basecamp無料を含む全プランBasecamp でのサインインと承認読み取り専用またはフルアクセスCLI、エージェントスキル、SDK もあり
Linearドキュメントにプラン制限の記載なし動的クライアント登録付き OAuth 2.1、または API キー既定は読み書き。読み取り専用エンドポイントと read スコープあり/mcp/readonly は読み取りツールのみ公開
Notionドキュメントにプラン制限の記載なしOAuth読み取り、作成、更新。読み取り専用の記載なしメンバーが接続できるクライアントの制限は Enterprise が必要
Jira(Rovo MCP Server)Standard、Premium、EnterpriseAtlassian でのサインイン既存の権限で動作Free プランは対象外
AtrixBuilder と Studio(無料プランなし)OAuth 2.1付与可能な読み書きスコープ49個呼び出し単位の監査、トークンごとのレート制限

目立つ点は2つです。表のどのツールにもホスト型 MCP サーバーがあり、Claude や ChatGPT をタスク管理ツールにつなぐのはもう普通のことです。そして違いは制御にあります。権限をどこまで狭くできるか、トークンを読み取り専用にできるか、何が記録されるか、です。

コネクタそのものよりスコープ付きの書き込みが大事な理由

読むだけのアシスタントは便利でリスクも低いものです。書き込めるアシスタントこそ時間の節約が生まれる場所で、同時にミスが生まれる場所でもあります。エージェントを自社ワークスペースにつないで小さな会社を運営してきた経験では、リスクが劇的なことはまれです。たとえば次のようなことです。

  • 似た名前の To-do が2つあり、エージェントが違うほうを完了にする。
  • チーム向けの要約が、顧客が読める場所に投稿される。
  • 一括の「整理」で、誰も頼んでいない30枚のカードが動く。
  • ループが書き込みを再試行し、重複が生まれる。

どれも後片付けより予防のほうが安く、予防の手段はプロンプトの書き方ではなく権限設計です。仕事に必要な最も狭いスコープを付与する、通知を送る操作を分ける、書き込みの頻度に上限を設ける、翌朝読めるログを残す、の4つです。

スコープ付き書き込みの参考例としての Atrix

私たちは Atrix AI を開発しているので、中立的な調査ではなく一例として読んでください。Atrix の MCP サーバーは OAuth 2.1 で85のツールを提供しており、設計は前のセクションで述べた考え方に沿っています。

  • 付与可能なスコープ49個。 作業、ページ、CRM、カレンダー、メッセージなど領域ごとに読み取りと書き込みが分かれています。書き込みスコープは同じ領域の読み取りを含みますが、それ以外は含みません。
  • リスクの高い操作には名前付きスコープ。 チームフィードへの投稿はメンバーのスマートフォンに通知が届くため、feed.post は feed.write に含まれない独立したスコープです。
  • 呼び出しごとの権限確認。 9つのスコープは、商談金額や採用など、トークンの背後にあるアカウントに対応する権限も必要です。トークンは作成者以上のことはできず、誰かのアクセスを取り消せばそのトークンの到達範囲も即座になくなります。
  • 制限と監査。 トークンごとに毎分120回の呼び出しと30回の書き込み。すべての呼び出しはツール、結果、対象の種類と ID とともに記録され、内容は記録されません。
  • 到達できないものもあります。 給与や報酬の記録に届くスコープはありません。

Basecamp と比べた Atrix の制限も明確です。無料プランはなく、7日間のトライアルにはカードが必要で、料金は5席で月39ドルまたは15席で月149ドルです。より新しい製品でコミュニティはずっと小さく、Basecamp の落ち着いたプロジェクト空間だけを求めるチームには不要な機能(ドキュメント、CRM、採用、人事)まで含んでいます。サーバーは Official MCP Registry と Glama に掲載されています。その他の点は Basecamp との比較をご覧ください。

どのプロジェクト管理ツールでもエージェント接続前に確認すること

  1. 仕事を書き出す。 エージェントにしてほしいことを3つ書きます。3つとも読み取りなら、読み取り専用で接続してそこで止めます。
  2. ツールが提供する最も狭いアクセスを選ぶ。 Basecamp なら、書き込みが必要な仕事がない限り読み取り専用です。スコープのあるツールでは必要なものだけを付与します。
  3. エージェントが誰として動くかを決める。 あなたとして動くなら、すべての操作があなたのものに見えます。チームに伝えましょう。
  4. 顧客に見える場所は対象外にする。 ツールが許すなら範囲から外し、無理ならそのプロジェクトでは読み取り専用にします。
  5. 最初の1週間は翌日にアクティビティを読む。 どんな設定よりも多くのことが分かります。
  6. 切断方法を把握しておく。 アシスタントからコネクタを外せばアクセスは切れます。トークン型のツールでは取り消す場所を把握しておきます。

用語になじみがなければ、MCP サーバーとは何かを説明した用語集の項目で仕組みを平易に解説しています。

よくある質問

Basecamp は Claude や ChatGPT と連携できますか?

はい。2026年10月時点で、Basecamp は mcp.basecamp.com のホスト型 MCP サーバーを通じて Claude、ChatGPT、Cursor、Grok の公式コネクタを提供しています。Claude ではカスタムコネクタとして追加し、ChatGPT ではプラグインディレクトリからインストールします。

Basecamp の AI コネクタは無料ですか?

Basecamp によれば、無料プランを含むすべてのアカウントに追加料金なしで含まれます。AI アシスタント側でコネクタを追加するには、そのアシスタントの有料プランが必要な場合があります。

AI アシスタントに Basecamp の読み取り専用アクセスを与えられますか?

はい。接続を承認するときに読み取り専用かフルアクセスかを選べます。読み取り専用は閲覧のみで、何も変更できません。

Basecamp に MCP サーバーはありますか?

はい。https://mcp.basecamp.com/mcp にホスト型のサーバーがあります。Claude Code、VS Code、Cursor など、リモート MCP コネクタに対応したクライアントならどれでも使えます。

AI アシスタントは自分が参加していない Basecamp プロジェクトを見られますか?

いいえ。Basecamp によれば、アシスタントはあなたとして動き、あなたが見られるものしか見えません。

AI エージェントの権限をより細かく制御できるプロジェクト管理ツールは?

確認した中では、Linear に読み取り専用エンドポイントと読み取りスコープがあり、Atrix には呼び出し単位の監査付きで読み取りと書き込みを分けた49のスコープがあります。Basecamp は読み取り専用かフルアクセスかの2段階です。

次のステップ

両製品を並べて比べるなら Basecamp との比較を、スコープ付きアクセスの実際は Atrix の MCP ページをご覧ください。

出典

2026年10月27日に各社のページで確認:Basecamp 料金、Basecamp と AI アシスタント、Basecamp CLI とエージェントスキル、Linear MCP ドキュメント、Notion MCP ドキュメント、Jira 料金。

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